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歩き愛で推理でなりきリサーチ(1)

Feel℃ Walk よもやま話(7)

· おっちゃん「みつかる」記録帳

みんなこんにちは。おっちゃんだよ。今日も一緒に、家の近くをぶらついてみよう。遠くに行かなくても、すごいこと見つけなくても、面白探しはいつでも、どこでもできる。今日も #Feel度Walk で #歩き愛で推理 の旅に出発だ!

あれ、また何かになりきってますね。はい。尊敬するみうらじゅん大先生にならって、「ひとり電通」ならぬ「ひとりEテレ」始めました。番組名は

歩き愛(め)で推理(すいり)

歩いて、なんとなく気になったものをひたすら愛でて、妄想推理をしてみよう!

というコンセプトです。実は、これって今までずっとやり続けている Feel℃ Walk そのもの。

では早速番組スタート!

家の近くで路面にこんなステッカーがはられているのが目に入った。

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「G→」

「いったいこれは何を表すんだろう。えっとスマホでググって調べてみようかな……」

ああ、ちょっと待って。そんなにあせって調べたら面白くない。すぐにわかる必要はないんだから、調べないでただゆるゆる歩こう。それが大事な #しらべルール

 何かがみつかったら、すぐに調べず、じっくり推理、妄想をめぐらせよう!

一度、何かがみつかると、これまで歩いているときに全然気にならなかったものに自ずと目が向いてしまい、あちこちにこのステッカーがはられていることに気づく。

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二枚一緒にあったり、一つの場所にたくさんはられていたりする。

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ちょっと立ち止まって #みつめルーペ のスイッチを入れてみよう。

 

上の写真の「G→」の方向の違いが気になる。写真右方向へ進む「見えない線」と左方向へ進む「見えない線」が見えてくる。

 

すると、この「→」は特定の「一点」を指し示すのではなく、「線」の存在を示しているのではないかという推理がはたらく。

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いったい何が走っているのか……「G」は何を意味するのか……

そんなことをぼんやり考えながら歩き続けると、これから家を建てようという空き地の前を通りかかった。そこにも「G→」があり、その向こうに道路を掘り返したあとがあった。そこには何やらマークと矢印がスプレーしてある。

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路面にスプレーされていたのは「g」の文字だった。

ステッカーは大文字の「G」。路面のスプレーは小文字の「g」。おそらく同じ対象を意味するのだろうが、どうしてわざわざ書きわけるのか。そんな新たなナゾが頭をかすめつつ、素直に矢印が指す方を見る。

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すると、矢印の先の宅地の際に例の「G→」がはられていて、さらにその先に目をやると

ガス管注意!

と書かれた杭があるではないか。

「G」そして「g」は「ガス=gas」のイニシャル。「G→」は地下にガス管が走っているのを知らせるサインということがこれで明らかになった。

 

ということは、さっきの写真のところには、並行して2本のガス管が走っていると推理される。なんでわざわざ2本並べてガス管を走らせるのか……推理して答えがみつかっても、すぐに新たなナゾが生まれるから面白い。

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「G→」のナゾは解決。これで終わり。

「ねえ、ねえ、知ってる?『G→』ってガス管が下にあるってサインなんだよ」

あらら……オレ知ってる!スイッチが入ってしまった。でもそんなスイッチはすぐOFFにしよう。

「知る」ことは次の「知る」の始まりに過ぎない。#歩き愛で推理 がさらに面白くなってくるのはいよいよこれから。「G→」の物語は幕を開けた。

ここまでくると、ものの見え方が変化しているので、解像度が上がり、これまで見えていなかったものをキャッチし始める。このときに作動するのが #くらべルーペ だ。

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歩道の掘りかえしあとが気になって、くらべるともなくくらべてしまうのだ。

これは「G」じゃない。「水」と書いてある。ということは「水」道管か下「水」管を工事したところ。

実は路面の下にはさまざまな管が埋まっていて、地表からは見えない地下世界が広がっているのだと思い始める。

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#くらべルーペ が作動したまま、歩き続けているので、また別の路面の掘りかえしあとにさしかかると「これまで見たところのとくらべてみよう」と思わずにはいられない。

すると、やっぱりここにも文字があることにすぐ気づく。「G」でも「g」でも「水」でもないようだ。「山」という漢字だろうか。いや違う。アルファベットの「E」だ。ガス、水ときて「E」となれば、推理するまでもなく「Electric=電気」の頭文字の「E」だと予想がつく。

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数十メートル先にもやはり掘りかえしあとがあったので、 #くらべルーペ を作動。ここにも「E」の字が書かれていて、そのすぐ脇に無電柱化した道路に設置されるボックスがあった。これで「E」は「電気」に間違いない。

改めて、さっきの場所に戻ってみる。するとこれまでと異なる特徴が気になり始める。「E」と書かれた掘りかえしあとには、緑の「G→」のステッカーとさらに別のステッカーも見える。

すると、いくつかの要素をつなげて考えてみる #つなげルーペ 作動する。

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「G→」があるのでガス管が通っていることはわかるが、「E」と刻印されているので電気に関する工事で掘りかえしたのだろうと推理される。他のステッカーにどんなことが書いてあるのか確かめると、

「東京電力浅層埋設物有」

の文字。鎌倉駅から近く、由比ヶ浜に向かうメインストリートにある幅広の歩道。無電柱化するために地下に埋設された電線が「浅層」、つまり、地表からすぐのところに埋まっているということか。

すると、この三枚のステッカーを #つなげルーペ で推理したくなる。「このあたりに電線がありますよ」ということだけだったら路面の「E」のサインだけで事足りる。しかし、わざわざ電線が埋まっているステッカーを「2枚」貼ったということは、ステッカーのある位置に電線が「2本」走っているという推理ができる。一方で、となりの「G→」ステッカーは、ガス管の存在とともに「→」によってどの向きに管が走っているかも示している。

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こうなるととめどなく #つなげルーペ が動き続け、推理の連鎖が止まらなくなる。

水道管・下水管の場合は、マンホールの数が多いので、マンホールのフタが「G→」と同じ働きをして、どこを管が走っているかわかりやすい。一方、ガス管のマンホールはほとんどないので、どこに埋設されているか地表からはわかりにくい。電線も、水道管も破損してはいけないが、火災や爆発などの被害が出てしまうので危険性が高いのはガス管だ。そのうえ、地表から近い比較的浅いところをガス管は走っているのではないか。だから路面を掘るためにカッターを入れた時、最初にぶつかりやすいのがガス管。だから「→」も含めて、どこに走っているかを明確に知らせる必要があるのかもしれない。

「G→」はガス工事だけでなく、むしろ他の工事で道路を掘りかえすときに、管の位置を知らせ破損を防ぐためにとても重要な印であるということ。「G→」がはられているおかげで迅速かつスムーズに工事ができる。私たちの生活の安全と快適さを守る大事なシールだということが実感されてくる。

こうなるともはや「G→」はただのモノではない愛おしいもののように感じられる。

ひょいと目を横に転じると、別の掘りかえしあとと、「G→」、マンホールがある。 #つなげルーペ で #歩き愛で推理 はまだまだ広がる一方だ。

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この掘りかえしにはなんの刻印もない。もしガス工事だったら「G or g」、水道工事だったら「水」、電気工事だったら「E」ではないか。ただ、ガス管が走っているところをわざわざ掘ったことは間違いない。

「なんの工事のために掘ったのか」を推理するのもいいが、仕切弁マンホール、ガス管、さらには四角いNTTマンホールを #つなげルーペ で考え始める。となりに埋設されている電線のことも考えると、具体的なイメージを伴ったものとして足元のすぐ下に広がる複雑な地下世界が見え始めた。

ガス管の本管はマンホールにぶつかるとそれを避けるように直角に曲がり、歩道に面する建物に向かって垂直に引込管を伸ばしている。その下に、電話線とインターネット回線の束をひとまとめにした太いケーブルがちょっとゆらめきながら直進している。その脇には地中に埋められた電線を覆った管もある。そのさらに下を下水管が流れている。ところどころ地上にあるマンホールに向かって真上に土管が伸びている。流れを調節するための栓や弁がある。まるで電子回路のように張り巡らされている。どのラインにも傷をつけずに掘り起こすのはとても大変なことだと思えてくる。

明くる日、別の場所を歩く。 #つづけルール のスイッチが無意識にONになっているらしい。こうなると、みつけようとして歩いていないのに向こうからどんどん飛び込んでくる。

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昨日、一緒になって探してくれたことへの「G→」からのお礼なのか、はっきりと「ガス管を注意するサインなんですよ」という解答をもらう。その他に業務連絡用メッセージが書かれている。

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続いて、路面に書かれるサインが、うっすらと黄色で「G 注」のメッセージをくれる。「G」は「ガス注意」なんだよと。

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すると、すぐ横に立つ電柱が「ここから電話線が地中にもぐるんですよ」と、電柱に寄り添いつつ地中に入ってゆく金属の管の姿を見せてくれた。おまけにNTTからの警告として「埋設物の確認は大丈夫ですか」と言う表示が電柱にしてあるではないか。

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逗子駅前の銀行脇のいつも通る路地が、昨日の鎌倉の歩道と同じく、ガス管と電話線と水道管が入り乱れる場所だったと教えてくれた。

「おい!」

地面から声がする。

「お前にだけ地面の中を見せてやるよ」

まさか。地面の中は推理するしかないだろう……

(ああっ!)

足元にあるどこでも見かける格子のフタをのぞくと、いくつもの管が走っているのが見える。一番端はケーブル。これは電話線かな。太さの違う管がいくつかあるけど、太い方が水道管だろうか。

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ただの排水溝だと思っていたのに、地中の管を間近に見られるとは思わなかった。こんな浅さで埋まっているとしたら、掘りかえすときに相当気をつかわないといけないのは納得だ。

どうですか。こうなってからいろいろ調べても全然遅くないでしょう。むしろ、こうなってからの方が、ただ調べて終わりにならず、調べれば調べるほどどんどんナゾが出てきて、さらに #歩き愛で推理 しなければならなくなるでしょう。

#みつめルーペ のスイッチON #くらべルーペ と #つなげルーペ と #あつめルーペ を使って #歩き愛で推理 するといつの間にか #つづけルール も動き出す。

たかが路面のステッカーからまだまだ広がっていきそうです。

ぜひみなさんも「なんとなく気になる」ことを追いかけてみることから始めてみてください。